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前回調教の終了後、家路に着いた彼女はMiRACLEに出演した事を深く後悔しはじめていた。最初はSMへの積年の想いが叶った事に幸せに感じた。しかし、いざ願望が現実となり時間が経ってみると、取り返しのつかない事をしてしまったのではないかと冷静に考えるようになったのだ。(もしあの人が私のあんな姿を目にしたなら、どれだけ深く傷つくだろう・・・。)ご主人へのそんな気遣いは必要ないと言う人もいるだろう。なぜなら、彼女のご主人には愛人がおり、今や彼女を顧みてはいないからだ。しかし、彼女の中ではどうしてもご主人が悪いと思いきれない。それはおそらく、彼女が背負ってしまった十字架ゆえに。「子供を産めない身体」もともと子供がたくさん欲しいと言っていたご主人の夢を叶えてあげられない自責の念。擦れ違ってしまったとはいえ愛する人。おそらく今回の事が知れたなら二人の破局は決定的になる。(こんな事を続けていてはいけない・・・。)MiRACLEとの決別を思案したその時、撮影現場に忘れ物をした事に気がつく。1枚のスカーフ…それはまだ二人が笑顔でいた頃にご主人からプレゼントされた物だった。